2005/11/1
ああ、不愉快!
〜 ACミラン×ユベントス 〜

 先週末の注目カードは、何と言っても、セリエAの「ACミラン×ユベントス」。
 ユベントスは10連勝がかかり、ミランはできるだけ差を詰めておきたいこの大一番でしたが、結果は3-1でミランの快勝。そのどれもが素晴らしいゴール…と、キレイにまとめればこんな感じでしょうか。
 しかし、個人的には非常に後味が悪く、最後まで気分良く見られませんでした。その原因はレフェリング。ファールに寛容になりすぎ、ケガ人が出かねない荒れた試合展開にしてしまったからです。

 最初の導火線は、当然のごとく(笑)、ミランのガットゥーゾによって点火されました。
 前半9分、ペナルティエリア付近。ヴィエイラがGKキメンティからボールを受け前を向こうとした瞬間、ガットゥーゾが体ごとタックルを仕掛け、ボールを奪い取りました。ガットゥーゾはそのボールをシュートまで持ち込み、シュートは右ポストに当たって外へ…あわやゴールというプレーでした。

 その直後、主審はユベントスに直接FKを与え、猛然と抗議するガットゥーゾに激しい口調で注意を与えていました。しかしこれは、一歩間違えばケガをする可能性の高い、イエローカードの対象となるプレーでした。ガットゥーゾはヴィエイラの視界に入っていないところからトップスピードで飛び込んできて、完全に足払いしていたからです。

 このプレーをきっかけに、反則まがいのチャージが頻発しました。しかも、試合を通じて。特にスライディングタックルに関して、ファールを取るべき場面で取らず、終始ケガと隣り合わせのゲーム展開となりました。ミランはそのほとんどがファールを取られず、カウンターから何度もチャンスを作りました。一方のユベントスは、ファールを取られることに。
 ガットゥーゾは、その後もアドレナリンが頭のテッペンから噴出しているようなプレーを続け、同じような危険なタックルを何度も仕掛けていましたが、イエローカードはなし(確認した限り)。もし、もらっていれば、2枚目をもらってもおかしくないプレーを連発していました。この日のガットゥーゾは、「激しさ」と「危うさ」のさじ加減を間違えていました。

 大事には至りませんでしたが、後半に途中出場したムトゥがネスタに体当たりした場面は、非常に危険でした。ネスタはワールドカップ欧州予選のスロベニア戦で左手の指を負傷し手術、まだ左手をギブスで固定しており、左手を付ける状態ではありませんでした。
 おそらくゲーム展開を見ていたムトゥは、少々のラフプレーは仕方なしと思っていたはずです。元々血の気の多い選手ですし。もちろん、ピッチに立つ以上、いかなる言い訳もできないわけですが、このムトゥのプレーは、ゲームがコントロールできていれば間違いなくなかったことでしょう。

 このようなビッグマッチでは両チームとも気合いは入るわけで、いちいちピーピー笛を鳴らしていてはゲームも冷めてしまいます。しかし、重要な一戦だからこそ、前半9分のガットゥーゾのプレーには時間帯に関わらず、カードは出すべきだったと思います。行き過ぎたアグレッシブさは、ケガ人を出すだけでなく、チームの調子さえ落としてしまう危険性があるからです。
 ケガ人が出なくて本当に良かった。それがこの試合を見終わった時の感想です。最後まで見るのは疲れました…

 あと心配なのは、火曜と水曜に行われるチャンピオンズリーグ。体力だけでなく、神経をすり減らした両チーム。果たしてコンディションは整うのでしょうか?
 もし乗り越えたとしても、週末のリーグ戦で引分け、取りこぼしも考えられます。ここ、両チームにとって正念場です。