2006/5/26
フットボールの「プロフェッショナル」とは?
〜2006 FIFAワールドカップドイツ・グループEを予想してみる〜

 どこかで聞いたようなタイトル、なんて言わないでくださいね(笑)

 今回のワールドカップで「死のグループ」は2つ存在します。前回予想したグループC、そして今回予想するグループEです。
 このグループには、イタリア、ガーナ、アメリカ、チェコが入っています。サッカーファンの方なら、このグループがいかに厳しいかお分かりになるはずです。

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 ワールドカップを前に、イタリアで大変な騒ぎが起こっていることは、新聞などでご存じかと思います。知らない方は、「イタリア 八百長」と検索すれば概要が分かるはずなので、ぜひ。
 事情聴取を受けた選手がいるだとか、騒動を巻き起こしたクラブ所属の選手が合宿地でブーイングを受けただとか、いろいろ話題になっています。選手だけでなく、リッピ監督の代表選手選考にまで嫌疑がかけられてるし。

 ボクは現場で中学生や高校生に触れる機会があるので、普通のサッカーファンより「プレーとメンタル面の関係」みたいなものを心得ています。だから、私生活の問題がプレーに影響することがよーく分かります。いい選手であればあるほど、それは顕著です。
 でも、プロです、何億円も貰っている。機械的に考えれば、「何億も貰ってプレーしているんだから、そんな外野の声に惑わされないだろ?」「たくさん給料を貰ってるからって、これだけのスキャンダルになって、自分の名前が出ていたら気になるんじゃないかな?」。予想は両極になると思います。

 正直、どちらに転ぶか分かりません。でも、どちらに転ぼうと、ボクは今回のイタリア代表を楽しみにしていますし、かなり興味を持っています。

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 別の意味で注目しているのが、アメリカ代表のアリーナ監督です。もうどれくらい代表を率いてるんだろ…1998年10月から?長い!代表監督のプロフェッショナルというわけです。

 この監督、というよりアメリカのサッカー界は、非常に良い選択をしてきました。1994年の自国ワールドカップ開催、そして決勝トーナメント進出。その後、MLS(メジャーリーグサッカー)でサッカーがプロ化され、サッカーへの関心は少しずつですが高まってきました。
 一つのターニングポイントがあったとすれば、2002年日韓大会後。MLSのDCユナイテッドを率いてリーグを制覇させた手腕を買われ98年10月から代表監督に就任したブルース監督のもと、前回大会でベスト8に進出。当然次の監督へ引き継ぐことも考えたと思いますが、続投した結果、現在のFIFAランクは5位。そう、アメリカは今やサッカー界では「強豪」なのです。

 前回大会、ドイツとの準々決勝を生で見た時、非常にクレバーなサッカーをするなぁと感心しました。相手の良さを消しながら、選手の個性を生かして相手の弱点をつく。まさにお手本のようなサッカーです。
 相手をしっかり分析してゲームに臨む。選手はその分析に沿って忠実に戦う。だからと言って、没個性的な雰囲気はなく、むしろ選手の個性がチームにしっかりハマっている。
 アリーナ監督のチームはそういうチームです。これからサッカーを論理的に見てみたい人にお薦めです。

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 さて、予想です。

 イタリアにとって初戦にガーナと対戦できるというのがラッキーでした。それは「弱い」という意味ではなく、「やりやすい」のではないかと。
 今回のイタリア代表は史上最も攻撃的なチームのような気がしてますが、引いて守ること、相手にイニシアティブを持たせながら隙を狙うことに抵抗のないチームですから、間違いなく無理をせず、確実に勝ち点3を獲得しようとするでしょう。カギを握るのは第2戦。対アメリカ戦で勝ち点3を取れるか…。
 いずれにせよ、超の付く一流が集まっているイタリア代表。あえて個人名をあげるまでもなく、グループリーグは突破するはず…です(笑)

 アメリカは、初戦のチェコ戦が全てでしょう。2戦目、3戦目はある程度分析できますから、ゲームプランは立てやすいはずです。チェコ戦で「勝ち点を失わないゲームプラン」(=ディフェンシブだがアグレッシブ 笑)が実践できれば、最低でも勝ち点1は得られるはずです。
 ボクはこのゲーム、引き分けと見ています。そして、イタリア戦は勝ちに来る、と。しかも、イタリアのお株を奪うようなカウンター狙いで。

 チェコは最終戦にイタリア戦を残しているところがミソです。アメリカ、ガーナと、確実に勝ち点3を取らなければならない相手とまず対戦しなければならない。そこに選手の焦りが出てくるのではないかと。
 アメリカはタフなチームです。どんなテクニッシャンだろうと、フィジカルの強さと粘り強さで完封できる力はあります。第1戦にしっかり1-0で勝つような堅実な試合ができればいいのですが、ハマるとすれば、アメリカのメンタルとフィジカルの強さを軽んじた時。そんな簡単な試合ではないと思います。

 初出場のガーナは厳しいでしょう。第1戦イタリア、第2戦チェコ。チェコとは引き分けのような気がしていますが、イタリアから勝ち点を奪うには、相当ディフェンシブに戦わないといけません。思い切って引き分け狙いで、最終戦の対アメリカ戦に賭けることはできますが、なかなか難しいと思います。

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 なんだかまとまりませんが、それだけ魅力の詰まったグループだということです(笑)
 個人的な願望も含めて、2位アメリカは確定。最終戦の<チェコ×イタリア>の勝者が勝ち上がりと。
 (で、ボクはイタリアが勝ち上がりと予想)

 でも、引き分けってパターンもあるか…その場合は、固め打ちのできるチェコが得失点で有利かもしれません。ハマるとすればガーナ戦。3、4点の固め打ちができるのはここかと。イタリアも、初戦のガーナ戦で、取れるものなら取っておきたい。でも、初戦は厳しいか…

 なぜアメリカを対象外にしてるかと言うと、北中米カリブ海地区最終予選で6失点(全10試合)と堅守が売りだからです。予選突破が決まった後のコスタリカ戦で3失点してますが、これはレギュラーを外した結果。要は、9試合で3失点しかしていないのです。よって、アメリカから固め打ちするのは至難の業かと。
 アメリカが失点する時は、得点を取っている時という印象があります。先に取って入れられるパターンですね。

 いずれにせよ、6月12日18時キックオフ(現地時間)の<アメリカ×チェコ>から始まるグループEは、考えれば考えるほど分からなくなる…というのが本音です。
 きっと当たりはしないでしょう。でも、それがワールドカップに引き寄せられる魔力でもあるのです。