2006/6/6
勝利のための「キックアンドラッシュ」
〜私立武蔵高校、都大会ベスト8進出〜

 日曜日、負けてしまいました…(^_^;
 相手は私立武蔵高校。世で言うところの「御三家」ですよ。
 「80分+延長20分=計100分」を失点0に抑えられ、PK負け。まさに、術中にハマった、わがチームでした。

 おそらく、うちの方がサッカーはうまいと思います(漠然とした表現ですが 笑)。しかし、サッカーの勝ち負けというヤツは、それだけでは決まりません。特に、身体能力の高くなる高校年代以上となると、体力さえあれば失点を防げてしまうという現象が起こります。

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 サッカーの魅力は、もちろん足を使ったボールテクニックなんですが、「戦術」というやつも重要な魅力の一つです。日本人が好きなヤツです(笑)
 ただ、以前の日本では「ただボールを遠くに蹴ってFWがシュートする」ことを「戦術」と言っていました。ボール扱いが下手な選手が多いチームが往々にしてやっていましたが、よく「キックアンドラッシュ」と揶揄されていたものです。
 しかし、この日は「故意」でした。勝利の可能性があるからこそ、「キックアンドラッシュ」を仕掛けてきたのです。

 「キックアンドラッシュ」を戦術に昇華するには、いくつかやらなければならないことがあります。まず、ボールに対して必ずプレッシャーをかけること。
 あ、「相手と必ず競り合う」という表現の方が正しいかな。相手をフリーでプレーさせない。これ、鉄則です。

 次に、イーブンボールは必ずマイボールにすること。これは、ボールの落下地点を予測することもそうですが、予測できなかったボールに対しても素早く反応し、ボールが奪えなくても相手を自由にさせない素早いアプローチが必要です。

 最後は、この攻撃に終始してもへこたれない精神力があること。これが最も重要かな。どんなに理屈を言ったところで、実践するのはピッチに立つ選手たち。頭のいい子は、とかく体を使い切るのを嫌がります。相手の次のプレーを予測して、無理をしないものです。しかし、そんなことが勝利に結びつかないことを、武蔵高校の選手たちはよく分かっていました。100分間、疲れから運動量、判断力が落ちていきながらも、最後まで守り抜く集中力を持ち続けたのです。

 感心したのは、そこに「ヘディング」という要素を組み合わせてきたことです。ボールテクニックでは敵わなくても、ヘディングの技術を上げることで足が使えない空中戦を制する。
 さすが、○○先生!ナショナルトレセンコーチ!(そうです、監督である先生は、S級ライセンスを持っている方なのです調べれば分かるので、○○は興味のある方だけ調べてみましょう 笑)

 PKがやたらと上手かったことにも驚きました。相当練習していたんだろうなぁ。「相当」という言葉で書くとあっさりしてるけど、「相当」です。はっきり言って、外す雰囲気は微塵も感じませんでした。

 でも、こういう試合を実践するには、相当な根気が必要です。指導者にも、選手たちにも。
 お世辞にも恵まれていないフィジカルをしっかりと作り上げ、常に戦える状態にしていないといけない。しかも、一言で言えば「つまらないサッカー」を黙々と続けて、ワンチャンスを物にする、ある意味ストイックさと集中力が要求されます。それを積み重ねて都のベスト8まで勝ち進んできたのですから、フロックとは言えません。

 サッカーにおいて足下のボールテクニックは、絶対に必要です。しかし、ボールテクニックを身に付けなければならない小学生年代で受験勉強をしてきた相手選手にとって、それは戻りたくても戻れない時間です。
 それでも、中高一貫指導のもと、選手のスキルを少しずつ上げながら勝負に必要なファクターを整理し、そのためのトレーニングを積み重ねてきた武蔵高校の○○先生とその選手たちに、心から敬意を表したいと思います。

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 公式戦を戦う限り、上手下手は関係ありません。大会に参加するチームはどんなレベルであれ、全力で勝利を目指すのが筋です。それがつまらなかろうとなんだろうと、チャンピオンを目指して参加しているのですから、当然です。

 うちの選手たちが悪かったとは思いません。でも、積極性には欠けたかなぁ。この試合に勝っていれば地区予選が免除される大事な試合。その大一番を落としたわけですから、勝負弱いと言ってしまえばそれまでですが。
 アグレッシブにプレーしてほしかったなぁ。後先考えない感じのがむしゃらさがたまには欲しい。

 「もっとできるはずなのに…」「もう少し冷静になれれば…」「なんで競らないの?」
 そんなことの繰り返しでここまで来たけどさ、残された時間はもう少ないぞ。