2006/6/27
「ジダン」という時代の終焉
〜決勝トーナメント1回戦(6月27日開催分)について〜

 ま、ま、間に合った!(笑)
 まったく書いていなかった今日の試合の注目ポイント、なんとか2時間で書けました(^-^)

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<ブラジル×ガーナ>(6月27日 17:00)

 天気が良かった場合、この試合は蒸し暑くなります。おそらくロナウドは「巨人時代の清原化」(あくまで巨人時代です 笑)するので、ゴールを決めるのは難しいでしょう(半分冗談です)。

 この試合はかなり注目しています。というのも、ガーナの中盤が充実しているからです。
 エッシェン、アッピアはヨーロッパでも一目置かれるダイナモ。シュートは上手くありませんが(笑)、ことディフェンス力にかけてはヨーロッパ屈指です。

 日本戦で爆発したかのようなブラジルですが、アフリカ勢との対決って意外とないんですよね、ブラジルって。前回大会では対戦がありませんでしたし。
 ブラジルのレギュラー組、エメルソンとゼ・ロベルトのセントラルMFは、まあ普通にいいです。目立たないけど効いてます。

 ただ、疲れ知らずで動き続けるエッシェン、アッピアをどの程度抑えるか、はたまた主導権を握るか。この中盤の攻防は、ドイツ大会後の4年間(つまり、2010年の南アフリカ大会まで)における世界のサッカートレンドの方向性を決めると思います。「剛か柔か」。これは見逃せません。

 FWの決定力は絶対にブラジルなんですが、スピード、タフさについては今大会のガーナは買い。ブラジルが敗れるとすれば正直ここかなと思っています。でも、90分間、のらりくらりとやりながら、結局勝っちゃうのかな、ブラジル(^_^;)

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<スペイン×フランス>(6月27日 21:00)

 ジダンが出てくれば、スペインの勝利。一つの時代の終わりをボクたちは目撃することになるはずです。ボクはそう思っています。

 もちろん、スペインの調子が非常にいいということもあります。なにしろ、先発メンバー全員を入れ替えてもなんとか勝ってしまうチームを評価しないわけにはいきません(たとえ相手がサウジアラビアと言えど)。
 賛否両論だったルイス・アラゴネス監督の采配ですが、このドイツではその狙いがことごとく当たり、「もしかして、いい監督だった?」なんて再考している人、結構多いんじゃないでしょうか(笑)

 アラゴネス監督の最も大きな仕事は、世代交代をうまく行ったことだと思います。
 フェルナンド・トーレスはエースの座をラウールから受け継いだし、ルイス・ガルシア、シャビ・アロンソ、マルコス・セナ、ビジャ…。みんなリーガを代表するスター選手ですが、ラウールやらアルベルダやらホアキンやら、これまでの代表の「顔」を控えにまわす決断は、67歳の御大にしかできなかったことかもしれません。
 とにかく、自分が欲しかった選手が代表チームの監督になることで実現できたのですから、意外と自分が一番エンジョイしてるのかも(笑)

 しかし、スペインの調子を考慮しなくても、フランスの出来があまりにも悪すぎます。
 トーゴ戦は確かに勝ちました。前半は攻めあぐねましたが、結局フランスペースで締めくくり、いい雰囲気で決勝トーナメントに入ってきたのは間違いありません。しかも、累積警告で出場停止になったジダンに代わってゲームキャプテンをまかされたビエイラが2得点に絡んだというのも朗報です。

 でも、今のフランスには、ゴールを奪うまでの筋書きがありません。選手をただポジションに並べているだけ。そこに戦略は見えてきません。
 このチームでゴールを奪う確立が高いのは、アンリとトレゼゲです。ただ、先発から2人を併用したのはジダンが出場停止となった第3戦だけ。つまり、アンリを前線の中心に据えたわけです。

 では、チームとして、アンリがゴールを奪えるようなサポートをしているのでしょうか?
 アンリが得意なゾーンは左サイドです。そのスペースでボールをもらえれば、ドリブル、シュート、パス、いかなるプレー、しかもゴールに直結する決定的な仕事をします。それがアーセナルにおけるアンリの成功をもたらしました。つまり、アーセナルのサッカーにおいて、左サイドはアンリのためにスペースを作っておくのです。

 しかし、ドメネク監督は、そういった分析はしていないようです。アンリが得意なゾーンを好む選手をこれでもかと代表入りさせているからです。その代表がジダン。ジダンのサポートとして選んだリベリー。左サイドでチャンスメイクをするマルーダ。攻撃陣の多くが、左サイドを主戦場にする選手たちです。
 ジダン、リベリー、マルーダは当然、主戦場である左サイドでボールをもらいたがるし、持ちたがります。ということは、アンリへボールが渡るのは、上にあげたMFにボールが入った後。それはイコール、マークを引きつれ、パスコースを消され、アンリがマークされやすい状況を自ら作り出していることを示しています。つまり、ジダンのいるフランスは、選手配置の段階で、自分たちを窮地に追い込んでいるのです。

 他の意図があるのかもしれません。でも、機能しなければ意味がありません。選手の特徴を考慮し、戦略を立てていく。それが代表監督の仕事です。

 何度かフランスを取り上げた時、ジダンに関してはかなりキツいことを書いてきました。それは今でも変わりません。
 生で絶好調のジダンを見たことのあるボクとしては、かつての輝きは感じません。1mmも。

 コンディションが良くないのではなく、パフォーマンスが完全に落ちてます。数年前なら奪われることのなかった足下のボールをちょっとしたミスで渡してしまったり、バランスを崩してパスミスしたり。こんなことは、まず考えられませんでした。そうだなぁ…おそらく、2002年のワールドカップ日韓大会を境に、ジダンのパフォーマンスは年々落ちてきてます。
 ドイツの蒸し暑さがこたえているのかもしれませんが、それは言い訳になりません。そう、これはワールドカップなのです。

 もしも、ジダンをベンチスタートする勇気があれば。フランスが優勝候補に再浮上するには、英断が必要です。
 第3戦を見て、余計にジダンがいないフランスの方が、チームとして機能する。本気でそう思っています。
 もしも、出場停止がコンディションを整える休養になっていれば…。
 …悲しいですけど、その奇跡は起きないだろうな…

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 追記…
 今、11:23。エッシェンが出場停止って、今知りました。(T▽T)