前回、Trey Anastasioのライブ音源をダウンロードで購入した話をしましたが、なぜ今になって購入する気になったのか…その辺について触れたいと思います。
以前からダウンロードでライブ音源が購入できるのは知ってましたし、Phishのオンラインストア「DRY PHISH」で商品を購入したこともありました。当然支払いはクレジットカード。
だから、オンラインでカードを使うことには抵抗がない…と言ったらウソになりますが、ある程度覚悟した上で使っています。海外のアーティストグッズ(日本でお目にかかれないヤツ)で、「これは着られる!」というTシャツは結構買ってます。
それでも、音楽のダウンロード購入には抵抗を感じていました。
自分の中で待ったをかけていたもの。それは「FLAC」と呼ばれるフォーマット、そして、FLACファイルをダウンロードした後、どういう形で聴くかという問題でした。
「FLAC」という言葉を知っている方は、コンピュータの新しい技術に目を配っている人だと思います。音楽を聴いているだけでは分からない部分です。
「FLAC」とは「Free Lossless Audio Codec」の略で、フリーの音声ファイルフォーマット。可逆圧縮というデータ圧縮方法で、元の音声データを圧縮しても音質の劣化がない圧縮方法です。
つまり、「FLAC」形式のファイルなら、CDと同じ音質をより少ないデータで得ることができる…
ん?ちょっと分かりにくいな(笑)
「音質がいい上、データ量が小さい」FLAC形式のデータで「市販CDと同じ音質のCDが焼ける」。これで分かるかな?
FLAC形式のデータを購入する場合、MP3形式よりも価格が高くなっています。それは音質の違いに起因しています。MP3でもビットレートが128kbpsのものと256kbpsのものを用意している場合がありますが、これも音質に違いが出るためです(料金も256kbpsの方が当然割高になってます)。
ただ、FLAC形式のファイルを音楽として聴くためには、変換ソフトが必要です。これはフリーでダウンロードできるのですが、実は日本語にローカライズされたソフトが見当たりません。あ、でも、Macintosh版しか分かりません(^_^;
「FLAC - Free Lossless Audio Codec」(http://flac.sourceforge.net/)というサイトで、FLACをAIFFやWAV形式のフォーマットに変換するソフトが紹介されていますが、全て英語。FLACを紹介する日本語サイトもないに等しく、そのほとんどが個人サイトで紹介する程度。
別に英語が読めないというわけではありませんが(笑)、説明書がないというのは、保守的なボクにとってかなり効きのいいブレーキになりました。
結局、「ダメでも1,500円の勉強料だと思えば…」という開き直りで購入に至ったのですが、もう1つ購入するに至ったきっかけがありました。iPodの購入です。
Macを10数年愛用していると書いておきながら、実はiPodを購入したのは今年。「iPod Photo」が発表された後です。
現在ボクのiPodには、現在3200曲くらい入っています。ビットレートを通常の設定である128kbpsよりも多少音質を上げ、192kbpsに設定しているため20GBは越えてしまいましたが、まだ1000曲くらい入りそうな感じです。
入れている音源は、自分が購入したCDからのものが99%。現在廃盤になっていたり、友人から勧められたCDは多少入れていますが、良ければ買うようにしています。ホント、良心的なファンだと思いません?(笑)
しかし、抵抗はあります。
現物のない、ファイルという形での音楽。「iPod」という現物はあっても、何百枚というアルバムがたかだか200gの鉄の固まりに収まっている現実。
便利になったとはいえ、物体があって初めて所有していることを実感できる悲しき戦後生まれ。「土地は手元に」という感覚と大して変わらないのが、自分でも悲しい(笑)
ただ、エコな感じはします。物体を作らないことで、多少の資源の無駄遣いは防げるのでは…。
さて、「FLAC」形式のファイルをiTunesやiPodで聴けるようにする方法です。
【1.まずはフォーマット変換から】
まず、「FLAC」形式のファイルを「AIFFもしくはWAV」形式のフォーマットに変換しなければなりません。
通常FLACファイルを購入できるサイトには、ソフトがダウンロードできるサイトのリンクがあります。ただ、検索エンジンで「FLAC」を検索すれば、上記した「FLAC
- Free Lossless Audio Codec」がトップに出てきますので、そちらで。
WINDOWS版はプログラムを書き換えたりしなければならないらしく面倒ということでノーサンキュー(笑)。ここではMacintosh版の変換ソフト、「FLACer」「MacFLAC」について説明しておきます。
「FLACer」は、ダウンロードしたらお手軽にファイルを変換できます。実に簡単、直感的に使えます。
ただし、大きな問題が…110MB以上のFLACファイルを変換する場合、完全に変換できません!目安は1曲20分以上の音源。曲のエンディングがプッツリ切れて、フニャフニャと萎えます…
「MacFLAC」は、ファイルを完全に変換できます。ご安心ください。しかし、こちらにも問題が…
日本語環境では動作しません!英語環境にしなければならないのです!
この問題を解決するには、アップルメニューの「システム環境設定...」⇒「言語環境」を開いてもらい、「English」を一番上にドラッグすればOK。再起動後、英語環境になっているので、そこからファイルをドラッグ&ドロップしてもらえれば、間違いなくファイルをAIFFかWAV形式のフォーマットに変換できます。
ここで注意!作業が終わった後そのままにしておくと、当然ですが、英語環境のままです(笑)
作業が終わったら、必ず上と同じ作業を行い、「日本語」を一番上にドラッグし直して再起動しましょう!ただし、システムは全て英語ですので、ヨコ文字アレルギーはどこかへ置いといて、「日本語の時はどこ押したかな?」と思い出してください。
え、無責任?聞かないふり、聞かないふり。
あ、OS X以降にしか対応していないという最大の難点があります。この際、OS Xにしちゃいましょう(笑)
【2.ファイルを小さくすべし】
AIFFにしろWAVにしろ、そのままではiTunesに入っていません。変換したファイルを全て選択したら、iTunesのアイコンへドラッグ&ドロップしてください。そうすれば、ファイルを読み込みます。
しかし、そのままでは相当サイズが大きい!CDが焼けるほどの大きなデータなので当然です。
さて、次にやることはお分かりですね。データを小さくします。
iTunesからコピーした曲を選択し、右クリックもしくは「control」キーを押しながらクリックしてください。すると、いくつかの選択項目が出てきます。
その中に、「選択項目をAACに変換」という項目が出てきますので、そこをクリックしてください。すると、設定しているステレオビットレート(128kbpsとか256kbpsなど、自分が設定しているビットレート)のファイルに変換されます。
これですべて完了…ではありません。
【3.データを捨てれば、ハードディスクすっきり】
ファイルを小さくしたのはいいですが、実はAIFFもしくはWAVのデータも残っています。これでは、同じ曲で「CD音質のデータ」と「設定したビットレートのデータ」の2つが存在することになります。
だから、迷わず「CD音質のデータ」は捨てましょう(CDを焼きたい時は残してください)。目安はビットレートが「14○○kbps」のもの(すいません、下二ケタ忘れました)。
データが大きいのでちょっと時間はかかりますが、捨ててしまえばこっちのもの。
元のFLACファイルは外付けハードディスクに保存した方がベターです。調子に乗ってたくさんダウンロードすると、あっという間にハードディスクがパンパンになりますよ(笑)
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