2005/11/3
2時間ノンストップの壮絶ジャム!
〜 NOTHING BUT THE MIDNIGHT FLASH GROOVE - 05/11/1 南青山マンダラ〜

 久しぶりのライブでした。
 マルコス・スザーノ(pandeiro)と沼澤尚(drums)をフューチャーした「NOTHING BUT THE MIDNIGHT FLASH GROOVE」。10月31日〜11月3日の計4日、ライブは深夜1時からという、なんともサラリーマン泣かせなこの企画。ボクには持ってこい(笑)

 と言いながら、このライブについては、ボク自身あまり乗り気ではありませんでした。
 金欠というのが大きな理由ですが(笑)、ライブが急遽決まったようで、チケット発売がライブ1週間前という忙しなさ。発売日は徹夜続きの仕事の真っ只中で、チケットを買いに行く時間がない…
 すると、友人から「チケット買いに行くけど、行かない?」というありがた〜い言葉。「よろしくお願いいたします」と三つ指付いて頼むことに。

 ボクは2日目、ホストの2人に、エマーソン北村、森俊之というキーボーディスト2人を加えた4人編成…と、当初はここまでだったのですが、ライブ直前に佐藤タイジの出演が決定。これで5人中3人がTHEATRE BROOKのメンバーになったわけですが、おそらく、そういうテイストはあまり出ないはず…でも、どうなんだろ?…ライブ前から、面白くなりそうな予感がしました。

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 11月1日、深夜1時過ぎ(正確には、2日1時過ぎ)。
 メンバーがバーカウンターに下りてくると、先陣を切って森氏がステージへ。最初音のチェックでもしてるのかなと思うほど、唐突な始まり方でした。
 森氏の様子を見ていた4人は、「お、やってる、やってる」と笑みを浮かべながら、その音に吸い寄せられるようにステージへ…

 この日は(他の日も?)、「○○○を演奏します」的なライブではなく、それぞれが「こんなの出したけどさ、どうするよ?」という、いわゆるジャム形式のライブでした。
 さて、ライブの中身なんですが…

 これがね、ブッたまげましたよ…インスピレーションとインプロビゼーション、閃きと考察…およそ2時間、休憩なしの延々と続くジャム…壮絶なステージでした。

 まず、マルコス、沼澤の両氏。挑発し合うこともあれば、それぞれのプレーを引き立てるように脇へ回ったりと変幻自在のリズム隊。キーボードやギターの引き立て役になることもあれば、「付いて来い!」と言わんばかりに2人の世界に入ってしまうことも。ラテンフレーバーもあれば、ハードロックテイストもあり。とにかく、何でもあり(笑)

 驚いたのは、沼澤氏の激しいドラミングです。よく「ロックな…」なんて形容はありますが、そんな言葉では形容できない、激しいプレーが見られるとは…
 色々なバンドで沼澤氏のプレーは見てきましたが、「オルタナ系のバンドでも、ここまで激しくやらないかも…」と思えるほどの感情むき出しのプレーは、目から鱗でした。
 しかも、その波が…3回?4回かな…中盤から後半にかけて何度も押し寄せてくるという、普段ではお目にかかれない姿を見られて、かなり得した気分です(^_^)

 キーボードの2人は、それぞれの持ち味を生かしながら、出方をうかがいながら、リズム隊を引き立てながら、前に出て目立ちながら(笑)、これまた変幻自在。やはり、上手いミュージシャンのプレーは、聴いてて飽きません。
 個人的には、ライブの中盤だったかなぁ…GENESIS「GENESIS」で聴かれるような音を森氏が出してきた時。個人的にGENESISファンとしては、思わずニンマリでした。

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 さて、このライブで最も感心したのが、ミュージシャンとしての佐藤氏の力量です(前から分かっていましたけど…)。
 THEATRE BROOKのフロントマンとして目立つ存在ではありますが、こういったジャムでは、存在感だけでは埋められない技術が必要になってきます。
 そして、決まり事のない、その場のインスピレーションが勝負の分かれ目となるジャムにおいて、音を入れるセンスが必要です。
 しかも、2時間ノンストップとなれば、引き出しに中身が入っていないと、絶対に持ちません。しかも、中身はたくさん必要になります。

 この日の佐藤氏は、アコースティックギター(6弦、12弦)にレスポール、ついでにベースまで引いてしまうという快刀乱麻の活躍でした。
 ギターという楽器の性質上、当然前に出る場面は多々出てくるわけですが、それが嫌みにならない。音は効いてるんだけど、絶妙なバランスで邪魔にならない。他のプレーヤーの音、それが混ざり合って一体になっている音に「色を付ける」感じのプレー。改めて、そのセンスには脱帽しました。

 そして、挑発の仕方も心得ています。ベースでのプレーが結構多かったのですが、リズム隊を刺激してました。かなり(笑)
 もちろん、レスポールを持ったら…目立つしかないでしょ?(笑) スライドギターの音がやや大きかったけど、それもご愛嬌。その姿に、4人も引っ張られた…特に、沼澤氏の激しいドラミングは、佐藤氏が引き出した気がします。

 ホント、参加してくれてありがとうございました、とお礼が言いたい!(^_^)

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 見ていた席が森氏の手元が見られる場所だったのですが、森氏が前に出てプレーした後、ちょっと休憩を取っている間、彼がキーボードを見つめている姿は印象的でした。他のプレーヤーの気配を感じながら、どう絡んでいこうか考える姿。そして、閃いた瞬間の表情の変化…
 こういう姿を間近で見られるのが、ライブハウスの良さなんだよなぁ。

 誘ってくれてありがとう!と友人に感謝。